エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ

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今回は、旧約聖書のイザヤ書から3回目のメッセージです。キリストの誕生の預言の言葉を取り上げます。11章1節には、「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ。」と書かれています。イザヤが預言した時代は、暗闇が社会をおおっているような時代でした。北イスラエルはアッシリヤによって滅ぼされようとしていた時代でしたし、南ユダも北イスラエルから攻撃を受け、希望を失いかけていた時代であったと言えます。そのような中でイザヤは救い主の誕生の預言を語り続けます。今日はもう一度、この救い主の預言に目を注いでみたいと思います。そして、私たちもイエスにある希望と感謝を持って生きる者でありたいと願っています。それでは、イザヤ書11章1-7節を読んでみてください。

前回私は、当時の歴史的な背景を説明しました。そして、北イスラエルは高ぶり、思い上がり(9:9)、その結果、仲間であったアラムとペリシテ人によって侵略を受け(9:12)、アッシリヤによって滅ぼされてしまったことに言及しました。それは、万軍の主を求めなかったからであると説明されています(9:13)。さらに、アッシリヤでさえ、神に打たれ滅ぼされる日が来ることをイザヤは預言しています。(10:24,25)聖書の視点は明白です。神に立ち返ることのない北イスラエルを裁くために神はアッシリヤを一時的に用います。同様に高慢になったアッシリヤを、神は裁かれるのです。ところで、南ユダはどうでしょう。北イスラエルがなぜ裁かれ、滅ぼされてしまうのか、その理由を学ぶことができたのではと私は思います。南ユダにはエルサレムがあり、神を礼拝する環境が残されており、またイザヤのような預言者も与えられていたのです。万軍の主を求める、この姿勢こそ、神が南ユダに望んでおられた姿勢であると思います。神の約束に戻る、神を求める、それが信仰者の選ぶべき選択ではなかったかと私は思います。南ユダには、ダビデに与えられた神の約束があったのです。ダビデと結ばれた神の契約は、第二サムエル記7:12-16節に書かれています。特に、16節には、「あなたの家とあなたの王国とは、わたしの前にとこしえまでも続き、あなたの王国はとこしえまでも堅く立つ。」と約束されています。この約束はイエスの誕生を持って実現されることになります。救い主イエスこそ、「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」(9:6)と呼ばれる方であるとイザヤは預言しています。イザヤの指摘は、このような救い主に出会うまでは、私たちの問題は解決されないとの理解です。

今日学ぶ11章には、メシア来臨の預言が書かれています。さらに、12章には、その結果生じる、賛美と感謝の歌が書かれています。11章1節では、「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ。」と書かれています。エッサイとはダビデ王の父の名です。その根株から新芽が生えるのです。例え神への信仰を失ってしまった民であったとしても、根株が残っており、そこから新芽が生えるのです。そして若枝が出て実を結ぶとあります。ここでの新芽とはメシアを指しています。メシアがエッサイのルーツから、その子ダビデ王のルーツから生まれ実を結ぶとの預言です。2節では、メシアの上に主の霊がとどまると書かれています。参照ヨハネ1:33,34。その霊は、知恵と悟り、はかりごとと能力の霊であるとあります。イエスの上に聖霊が注がれ、イエスは、この地上で救い主としての働きをなすことになります。聖霊が注がれて神の業をなすイエスの働きが美しく預言されています。6-9節には、メシアが生まれることで、絶対的な平和がもたらされることが預言されています。9節には、「主を知ることが、海をおおう水のように、地を満たすからである。」と書かれています。本当にイエスを信じる者がこの地上にあふれて行く時に、信仰者の祈りやその業によって絶対的な平和がこの地上にもたらされる、そうイザヤは預言しています。堕落した神の創造の回復、被造世界における平和の回復が起きるとの預言に私たち信仰者もかかわることができる、そう私は信じています。

11章11―16節には、残りの民、散らされた民の帰還の預言が書かれています。散らされた民が地の四方から、それも和解され、北イスラエルも南ユダも友として、あの出エジプトの日のように、また、集められることが預言されています。イザヤは買い取られるとの表現で贖われる神の業にも言及しています。参照出エジプト15:13、イザヤ43:1。

12章は感謝と賛美の歌が書かれています。第一部の結びとしてふさわしい感謝と賛美の歌であると思います。救い主に出会い、イエスを救い主として信じる私たちにとっても共感する感謝と賛美であると思います。1-6節まで、ゆっくりとみ言葉を味わいながら読んでみてください。5節には、「主をほめ歌え。主はすばらしいことをされた。これを全世界に知らせよ。」と書かれています。ちょうどイエスの弟子たちに全世界に出て行って福音をのべ伝えよと命じられたイエスの大宣教命令を思いだす言葉です。参照マタイ28:18-20。そう、私たちも救い主イエスに出会い、感謝と賛美の歌を人々に伝える者でありたいと願っています。

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